君が、嘘を、ついた

充実した毎日だ。
仕事はすべて順調、取引先の評価も案件を重ねるごとに高まり
ぼくとでなければ仕事は出来ないとまで言わしめている。
成績は鰻登り、社内の評価も抜群で来期には史上初の
20代での部長昇格の噂が流れている。
プライベートライフも満帆の状況。
本命の彼女とは来年6月の挙式をちらつかせつつ、問題なし。
キープもNo.2、No.3までリストして一週間では体がもたないくらいだ。
実家の土地に道路を作るというので50億で売却した。
もう一つ空いている土地は駐車場かマンションにでもして
定収の足しにしてみるか。
6台も車があっては維持費だけでも馬鹿にならないので
ベンツあたりから廃車にして効率よくしよう。
たまたま買った宝くじが1等前後賞で3億になってしまった。
寄付でもしようか。




そんな夢を見た。
呆れた。ぼくの望みってこの程度のことだったのかと
自分で恥ずかしくなった。
台風に飛ばされてしまえ。