顛末記

いや、おっこられた怒られた。
なにって、例の小動物虐待変質者の一件。
結構マジで不安に感じてたんだけど、フタを開けてみれば野良猫の仕業だった。
とはいっても身の丈50㎝超ってんだから山猫なみだよ。
そいつがスズメやら庭に出されてた籠のなかのジューシマツやらを襲っていたらしい。
ぼくはいなかったけど、お隣さんからの話では土曜日は町内総出でもの凄い捕り物だったらしい。
老若男女入り乱れて手に手に棒やらアミやら振り回して…。
恐いもんだね。しかしこの間の警鐘ビラでは惨状の現場には切り出しナイフやら鉈やらが転がっていたって書いてあったけど…。
フカシだなこりゃ。考えて見りゃ、今時切り出しナイフやら鉈なんてもの置いてある家庭、ないでしょ。品物の発想がどうも古い。町内会長とかが調子に乗って、あることないことフカシたんじゃないか、これ。
ま、それはそれで一件落着で。平和な町内に戻ったわけだけど。
よかったねー的な世間話になって、つい変質者は居候ではないかと疑っていたと
口を滑らせてしまった。
いや、おっこられた怒られた。
「きさん!おいばなんと心得ちょるとかぁ!」ってなぜか九州弁で怒鳴られた。
いや申し訳ないことしたよ。今回ばっかりは平身低頭謝りました。
信じてる人に疑われてたって知ったら、ショックだよね。
ごめん、居候。
ヤツはへそ曲げたのか、プイッと出ていったきりしばらく帰ってこなかった。
申し訳ないなぁと思いつつ、これで五分五分。
謝罪のつもりで「紅乙女」おいといたら口開けしてあった。
許してくれたかな。