おまえにチェックイン

『Royal Straight Flush 1980-1996』を手に入れた。
かねてより秘かな楽しみとなっているネットオークションにてである。
「ロイヤル・ストレート・フラッシュ〜」というのは沢田研二
ベストアンソロジーのテーマタイトルである。
ベストアンソロジーというからにはこの作品は沢田研二
1980年から1996年までに発表されたシングル作品のベスト盤である。
内容は2枚組で全34曲収録されている。
沢田ほどのキャリアを持つアーティストになるとあらゆる年代にコアな部分を持ち、
それぞれに信奉者を持つ。
ぼくにとって「Julie」は全くリアルタイムで接することのなかった
アーティストであるが、高校時代、バンドもどきをやっていたときの仲間の
母親が沢田研二の猛烈なファンで、ことあるごとにレコードを聴かされて
いたので、すっかり耳になじんでいる。
沢田の楽曲を初めて耳にしたのは中学3年から始めたバンド活動に
邁進していた頃であり、それと同時に極度に潔癖症的傾向から同年代の、
若者といわれる世代の風俗に拒絶反応を示していた頃だった。
そんな折に聴かされてしまった沢田研二は捉えようがないほど隔たっていた。
「かっこいい」で納めきれないほど大きかった。
それでいながらニューウェイヴを視野に入れて歌謡曲との均衡を
保ちつつ破壊しつつ自らのスタンドを位置づけた沢田の楽曲は魅力的に思えた。
ぼくらのバンドスタイルもスタイルにこだわるなら「沢田研二&EXOTICS」のように
したかったと本気で考えていたこともあった。
日本のニューロマンティックを牽引していた頃の沢田研二はやはりかっこいい。
楽曲ごとにコンセプトを設定し作家もスタイルも変えて豊饒な一瞬を提供する。
まさにスターというものの姿を、錦野旦とは別の意味で実感するのだった。
あらためて聴いた沢田の楽曲は今でも衝撃だし憧れる。